「帝国の慰安婦」著者に無罪判決

ソウル高裁差し戻し審
日付: 2024年04月16日 12時35分

 韓国のソウル高裁は12日、著書「帝国の慰安婦」によって元慰安婦の名誉を傷つけたとして、名誉毀損罪に問われた朴裕河世宗大名誉教授の差し戻し審で、無罪判決を言い渡した。
高裁は「二審で有罪と認めた表現は学問的主張または意見として評価することが妥当」としたうえで、「被害者の名誉を毀損する『事実の適示』とはみなせない」と判断した。
朴氏は著書で、慰安婦問題を帝国主義下での女性の人権問題と指摘した。一方、慰安婦について「売春」「(旧)日本軍と同志的関係」などと記述し、日本による強制連行はなかったと虚偽記載をしたとして、元慰安婦らが2014年に朴氏を名誉毀損で告訴。15年に在宅起訴された。
一審は朴氏に無罪を言い渡したが、二審は検察が名誉毀損とみなした35件の表現のうち11件が名誉毀損にあたるとして、1000万ウォン(約110万円)の罰金を命じた。
大法院(最高裁)は昨年10月、「学問的主張や意見の表明と評価するのが妥当」として、二審判決を破棄し、ソウル高裁に審理を差し戻していた。


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