【映画】『貴公子』

陰謀をめぐるアクションノワール
日付: 2024年03月26日 11時19分

 病気の母のために、フィリピンの地下格闘技で日銭を稼ぐ韓国人の父を持つハーフの青年マルコ(カン・テジュ)。ある日、生き別れた”父の使い”を名乗る男が現れ、韓国に向かうことになる。飛行機の中で自らを”友達”と名乗る謎の男・貴公子(キム・ソンホ)に出会う。不気味な笑みを浮かべる貴公子に恐怖を感じて逃げ出したマルコは、執拗な追跡と狂暴ぶりに徐々に追い詰められていく。
物語が進むにつれて明らかになっていく衝撃の真実。ある巨大財閥の相続をめぐるドラマが描かれる。キャラクターの感情がむき出しになっていくほど、追跡劇は緊張感を増していき、物語の行方はさらに予測不可能なものになっていく。
チェイスシーンと銃撃戦が繰り返し描かれ、俳優陣が入り乱れるように格闘するラスト数分は、韓国映画史に残る壮絶なアクションシーンといえる。
観客の誰もがアッと驚くストーリー展開と、笑顔になること請け合いのラストシーン。スリリングでありながら同時に心を揺さぶるドラマもある。細部まで緻密に作り込まれた本作は、韓国ノワール映画の傑作と言えるだろう。
主人公の貴公子を演じたキム・ソンホは、『メモリーインドリーム』『ICE(原題/日本未公開)』『タッチング・ザ・ボイド/運命を分けたザイル』といった演劇作品や、『100日の郎君様』『君のハートを捕まえろ!~Catch the Ghost~』といったテレビシリーズなど、さまざまなジャンルで確かな演技力が認められている。2020年のテレビシリーズ『スタートアップ:夢の扉』、21年の『海街チャチャチャ』で国内外のファンを魅了し、多くの支持を得ている。そして本作で満を持しての映画デビューとなった。
パク・フンジョン監督は、韓国映画界においてノワールジャンルの巨匠としての地位を確立。8作目となる本作とともに新たな地平を切り開き続けている。
公開=4月12日(金)、新宿ピカデリーほか全国公開。
公式HP=https://synca.jp/kikoushi/

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