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2023年11月21日 12:54
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当局の「放置」で市場経済回復の皮肉
デイリーNK 高英起の高談闊歩

 北韓は慢性的な経済難に苦しんでおり、深刻な食糧不足から餓死者が続出しているとされている。一般的な見方としては決して間違ってはいないが、多少誇張されている感は否めない。たとえば、多く見積もって年間10万人(北韓の人口は2500万人)ぐらいの餓死者が発生すれば、金正恩時代の12年間で百数十万単位の人々が餓死したということになる。
北韓が史上最大の大飢饉だったと認める「苦難の行軍」の時期(1994年から1998年)でも、数十万から数百万人の餓死者が発生したとされている。いくら閉鎖された国家とはいえ、数十万単位の餓死者が発生すれば、内部情報が筒抜けの今の時代ではかなり正確な情報が伝わってくるだろう。
とりわけ金正恩総書記が執着した3年半にわたるコロナ鎖国で、北韓住民はかなり厳しい食糧難に追い込まれた。一部地域では餓死者も発生したが、苦難の行軍時代のような大量餓死とは言いがたい。
さらに、中朝貿易が再開され、秋の収穫も進んだことから国内のほとんどの地域で食糧事情が改善しつつあると咸鏡南道(ハムギョンナムド)のデイリーNK内部情報筋は伝える。市場ではコメをはじめ穀物価格が下落傾向にあるのだ。収穫前の9月中旬には、コメ1キロの価格が7500北韓ウォン(日本円で約128円)だったが、咸興市内の錦糸(クムサ)市場と沙浦(サポ)市場では今月12日の時点で、4800ウォン(約82円)まで下落した。
北韓の貧困層の食料の代名詞といえるトウモロコシは1キロ2000ウォン(約34円)から300ウォン(約5・1円)に下落し、一部地域ではさらに安く販売されている。最近までトウモロコシしか食べられなかった北韓の一般庶民は、コメも混ぜて炊いたトウモロコシ飯や、コメで作った粥を食べられるようになり、見る見るうちに元気になったようだ。
トウモロコシ価格の下落に伴い、ほとんど姿を消していたポン菓子屋も再び現れた。コロナ不況を生き抜くために、ポン菓子製造機をくず鉄として売ろうとしていたが、買い手がつかなかったという。店を再開した人々は、1日に5000ウォン(約85円)以上儲かるようになり、「機械を売らなくてよかった」と笑みが見られる。
北韓の食糧事情が改善状況にあるのは間違いないが、金正恩政権の経済政策によるものではない。あくまで一般庶民たちが血と涙と汗でゼロからつくりあげた「市場経済」が機能しているからである。
実は、金正恩氏は就任当時、朝鮮労働党が主導する経済政策の失敗をある程度認識していた。それゆえに市場経済に自由を与えた、言い換えれば「放置」したわけだ。これが功を奏して数年間は市場経済が回っていた。ところがコロナを契機にまたもや社会主義経済に回帰しようとしている。
金正恩独裁体制がいつ庶民たちが作り上げた市場経済を破壊して、またもや苦しい食糧事情に逆戻りする危険性はつねにある。金正恩氏は、資本主義的な市場経済こそが北韓経済を向上させる唯一の方法であることを知るべきだ。

2023-11-22 4面
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