長崎県対馬市の観音寺から盗まれ、韓国に持ち込まれた仏像「観世音菩薩坐像」を巡り、所有権を主張する韓国忠清南道瑞山市の浮石寺が、仏像を保管している韓国政府に引き渡しを求めた訴訟で大法院(最高裁)は10月26日、原告側の上告を棄却した。これにより、観音寺の所有権を認めた2審判決が確定する。
同仏像は2012年、韓国人窃盗団が観音寺から盗みだして、韓国に持ち込んだ。
浮石寺は1330年ごろ、日本の倭寇に略奪されたものだとして所有権を主張し、引き渡しを求める訴訟を起こしていた。
一審の大田地裁は浮石寺の所有権を認めた。一方、大田高裁は控訴審で一転、観音寺の所有権を認める判決を下した。大法院は「原告の請求を棄却した控訴審判決は正当」として上告を棄却した。
韓国外交部は「判決を尊重する」との立場を表明した。また日本からの要請があれば、文化財庁と検察に伝え、韓国の法令に則って手続きを進めるとしている。 |