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2023年06月13日 12:10
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古代史万華鏡クラブ~韓日古代史の謎を解く 
任那日本府はあったのか 第1回

 佐賀県の吉野ケ里遺跡にある石槨墓発掘のニュースが注目されている。遺跡を見渡せる高台に位置することから高貴な身分の人物の墓と推測され、幻の邪馬台国や卑弥呼の手がかりが得られるのではないかと期待が大きい。果たして何が見つかるのか楽しみだが、古事記や日本書紀には今の朝廷とは関係ないと言わんばかりに邪馬台国や卑弥呼の記載はない。行変えも句読点もない難解な漢文の解釈が分かれ、謎が謎を呼ぶのだが、もし魏志倭人伝という中国の史書がなければ女王国は古代史に姿を現すことなく、国民的ロマンともいえる白熱の論争もないことになる。
そもそも3世紀や4世紀の記紀の記事は、例えていえば文字の記録がなにもない状態で、今、鎌倉時代のことを書いているようなものなのだ。倭に文字資料が現れるようになる5世紀末までの様子は中国の史書に頼るしかないのだが、貴重な資料になるものがもう一つある。文字が倭より早く伝わった韓半島の「三国史記」だ。
三国史記は高麗時代の12世紀半ばに編まれている。成立がえらく遅いと思うだろうが、これは古代激しい争乱が繰り広げられた半島、特に百済と高句麗は王都まで攻め込まれ滅亡している。その混乱で貴重な史書や文献の原典が焼けたり、紛失してしまったことであろう。その散逸した史書を探し、編んだのが「三国史記」である。百済滅亡時、亡命した貴族が持って来たのだろう、日本書紀には<注>という形で百済本記の引用が見られる。
その「三国史記」によって5世紀あたりまでの古代の倭についてある程度わかる。百済との関係記事は友好的な記事が多いが、日本書紀のように事細かくは書かれておらず、7カ所。高句麗本記には倭との関連記事はゼロ。今の日韓のような微妙な関係が古代にもあったのだろうか、広開土王の石碑の歩騎5万人で倭を破り新羅を救った…という有名な戦いの記載もない。
一方、王都が安泰だった新羅本記には倭がやたら出てくる。例えば346年の記。「倭の兵がにわかに風島に来て掠奪。さらに金城を包囲して激しく戦った」など約50の関連記事のほとんど全部が倭の来襲記事で占められている。この倭の侵攻は神功皇后の新羅征伐という伝承につながる。さらに応神朝の369年に韓半島南部の統治機関として任那日本府を置いたとし、自分の領土だと主張し始めることになる。
…と、長くなったが、ここまでが前置き。ここから私の長年の疑問、「任那日本府はあったのか」といった謎について道草を喰いながら順次検証していきたい。
例えば、およそ日本人にはこんな歴史的知識・常識が頭に刷り込まれているはずだ。
「大和朝廷は日本の統一を進めるとともに、朝鮮にも兵を出して任那を支配し、百済と結んで、しばしば高句麗や新羅と戦った。こうして鉄などの産物や技術を持つ人々を手に入れて、その力を強めた。そして5世紀には代々のオオキミは中国の皇帝に貢物をささげ、日本の王としての地位と南朝鮮を支配する権利を認めてもらおうとした」(昭和の中学教科書)
問題は、そもそも4世紀に韓半島に攻め込むほどの勢力を持った統一国家があったのか。当時のヤマトの勢力はせいぜい大和盆地を支配し、その周辺に勢力を伸ばしていた程度の存在であったというのが今の古代史家の大方の見方である。攻め取るべき土地や人民が周辺にあるのに、どうして海を渡ってまで植民地を求める必然性があったかということである。
それなら「新羅本記」にたびたび登場する倭兵は何者なのだとなる。
あの時代、韓半島まで数多くの兵員を送る船があったかというとはなはだ疑問だ。後の7世紀の遣唐使船でも難破が相次ぎ、新羅船で帰った留学生が多かったことでわかるように、造船技術は拙かった。百済への軍事援助のために兵千人、馬百頭を船四十艘で運んだという記録がある。7世紀でも一艘に兵員はせいぜい25人、馬2~3頭を乗せる程度の船であった。4世紀の船はもっと小さく、貧弱であったはずだ。
兵糧の供給、いわゆる兵站も問題であったろう。倭兵襲来の記事の中にも「王は城内を閉じて出撃しなかった。すると賊は糧食が尽きて退却を始めた」とある。米があまり採れなかった古代でも平城京建設の奴隷に近い労働者にも一日玄米8合(今の4合弱)が与えられたという。”腹が減っては戦はできない”ではないが、後の戦国時代の事を書いた「雑兵物語」によると、兵は一日6合も食べたという。古代でも同程度与えられなければ戦えなかったであろう。日に一人当たり5合で計算してみると5千人の兵で一日25石、4トン近くになる。何日もの兵糧や武器をまとめて運ぶ兵站は難題で、あの時代に近畿から韓半島に攻めこむことなどできただろうか。

2023-06-14 6面
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