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2020年01月01日 00:00
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【李栄薫氏 新春メッセージ】自由の戦士として覚醒を

李栄薫氏
 2020年の新年が明けました。今年は、統一日報がさらなる大きな成就と発展を遂げますことを祈願します。また、韓国の民族統一においても大きな成就と発展があることを願ってやみません。
韓国人は「われわれの願いは統一、夢にも願いは統一」という歌を好んで歌います。その歌を歌えば、ほとんどの韓国人は胸が痛み目頭が熱くなります。ところで、私はいつからかその歌を歌わなくなりました。その歌が示唆する「わが民族同士」という感性だけでは決して統一を成し遂げられないことが分かったからです。
統一は北韓同胞が自由人として解放されるときにのみ可能です。そうでない状態の統一は、可能でもなく、望ましくもありません。今まで少なからぬ政治家がまず低いレベルの連邦制で統一してから、北韓に徐々に自由民主主義を伝播すれば良いと主張しましたが、それほど深刻な幻想はないと思います。ヨーロッパの知的伝統で、自由(freedom)の語源は友愛(fraternity)にあると言います。自由はまさに平和でもあります。自由を抹殺し平和を壊すため襲い掛かって来る勢力に対して固まる連帯(band)でもあります。われわれが目指す統一は、そのような自由人の友愛の連帯を指します。
われわれの建国大統領の李承晩が主張した統一が、まさにそういうものでした。1953年7月、民族統一を成せないまま6・25戦争が終わりました。李承晩大統領は、北韓同胞に向かって叫びました。「北韓同胞よ、失望しないで下さい、私たちはあなたを忘れません。私たちは、あなた方を一日も早く共産虐政から救出するため最善の努力を尽くします」と声明を発表しました。
韓国人は長い間、李承晩大統領のその声明を忘れていました。北韓同胞を長い間、共産虐政の下の奴隷として放置しました。そうしながら歌だけで「われわれの願い」を歌ったのです。ついに、2000年代に入ってからは「わが民族同士」という邪悪な思想が全国民の心の中に食い込みました。以降、この国のアイデンティティに大きな混乱が生じました。平和がどういうものかも分からない人々が、口だけで「平和」を叫ぶ偽善の時代が開かれました。
先ほど、私は2020年の新年に統一日報が目指す民族統一において大きな成就と発展があるよう願うと述べました。低いレベルの連邦から、統一をやりましょう、という意味では決してありません。南・北の韓国人たちが自由人として友愛と連帯を図る状態でなければ、真の統一と言えません。そうするためには北韓の全体主義体制を解体せねばなりません。自由がどういうものかを長い間忘れてきた韓国人が、それに必要な勇気と犠牲の美徳をにわかに発揮するのは難しいです。まず最も緊要なことは、南の大韓民国の国民を、自由の戦士として覚醒させることです。
私が16年、李承晩学堂を設立したのは、そのような趣旨からでした。そういう次元で、大きな成就と発展があるよう切に願ったのです。

李栄薫:李承晩学堂校長。経済史学者。ソウル大学経済学部卒。同大学で博士号。ソウル大学教授。著書に『反日種族主義』など多数。

2020-01-01 3面
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