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2014年06月04日 00:00
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【寄稿】 6.15宣言の今日的意味を問う (中) 韓国現代史研究家・金一男
内乱の発生を招く「連邦制案」

〈崖っぷちに立った平壤政権〉
ここまでは、いかにも平壤政権がうまく立ち回ったかにみえる。しかし、戦術的に勝利しながら戦略的に敗北し続けてきたのが、朝鮮労働党の歴史である。中国の制止を振り切って核兵器の「実戦配備」に踏み込むか、ぎりぎりの「展示効果」による追加の大量援助獲得になお期待するか。いまや、平壤政権は最後の崖っぷちに立った。
たぶん、どちらもうまくいかないであろう。平壤政権による核兵器の実戦配備を許せば、アジアにおける中国のイニシアチブは失われる。事実上ほぼ完全に失われるといっていい。中国は今以上に平壤政権の冒険主義的な行動に振り回されることになるだろう。
内陸部開発のために「半島情勢の安定」を必要とする中国の安全保障にとって、最終破壊兵器を実戦配備した平壤政権は致命的な脅威となる。このことは、朝中関係の良し悪しとは関係しない。中国にとって、東アジアにおける核武装国家は中国だけでなければならないからだ。
北朝鮮が今日もなお中国の同盟国であるなら、なおのこと中国は北朝鮮の核武装を認めない。旧ソ連もその同盟国には独自の核武装を決して許さなかった。事実、中国のソ連からの離反は、64年の中国最初の核実験成功をもって決定的となっている。
また、北朝鮮の核武装化は、東アジアに「核ドミノ現象」をひきおこすことになる。日本は6カ月で核武装化が可能とさえ言われている。事態がそうした方向に進めば、中国の軍事的・政治的負担は確実に増大する。
中国は、警戒しつつロシアとは組んでも、北朝鮮とは決して組まない。持っているものが違うし、国際的利害関係が根本的に異なる。米欧中露による世界の寡頭支配体制の方が、立場が安定する中国にとって、北朝鮮に核武装させる理由や利益はどこにもない。
中国は現在の国際関係の構造的な変更を望まない。中国は、あくまでも現在の国際関係の中で内陸部の開発を進めたいと考えている。そして、宿願である経済的「離陸」を果たし、経済的に安定した真の「大国」に生まれ変わることを望んでいる。
中国みずからが言っているように、中国は経済的にはいまだ「途上国」なのだ。中国の海洋資源に対する強い欲求も、そこから生まれている。
昨年2月の北の第3回核実験の後、12月に公表された中国社会科学院の報告書「2014年アジア太平洋発展報告」は、平壤政権に対する注目すべき警告を発した。同報告書は、「平壤政権が核開発をあくまで継続するなら中国は北朝鮮を放棄しうる」と表記した。これは、中国政府からの真剣な警告とみてよい。中国がこの点に関しては計画通りに実行するであろうことは疑いをいれない。
本来、北朝鮮の安全保障は中国の核の傘の下で守られ、韓国の安全保障は米国の核の傘の下で守られてきた。それが東アジアにおける核管理体制であり、安定的な安全保障の体系だった。関連諸国にとっても、東アジアにおける現在の核管理体系と安全保障体系を特別に変更して北朝鮮に核のフリーハンドを与える特別な理由はない。これに対する平壤政権の不正な挑戦が成功する見込みは全くないと言っていい。
平壤政権が強引に核兵器の実戦配備を進めるなら、中国としては自分の手でその首を絞めざるをえない。また、北の核開発を阻止せんとする関連諸国の意志は固く、「核保有国の地位」を得ようとする平壤政権の望みは、夢にすぎない。
一方、「核放棄」をカードとする「交渉」によって、平壤政権が期待する追加の大量援助も、さほど期待できないものと思われる。関連諸国はすでに平壤政権の行動体系について十分に学習しており、また、平壤政権に多くを与えすぎたと考えている。平壤政権が「核開発」と「交渉」という二重の戦術を続ける限り、関連諸国が平壤側の術策にたやすく乗せられることはないだろう。
〈内政改善の自信を失った平壤政権〉
肝心なことは、現在の平壤政権指導部に、内政改革の情熱も自信もないことである。02年7月の「7・1経済管理改善措置」や09年11月の「デノミネーション」などの「改革」は、ことごとく失敗した。失敗の原因は、独裁政権による全体主義的統制を前提としたためであった。
平壤政権は、自由化と民主化への動きを恐れて国内住民を外部から隔離し、地方を切り捨て、地方住民を搾取し続けた。一方、「経済特区における土地の賃貸し」と「派遣労働者の労賃ピンハネ」によって平壤市を維持する資金を調達し、鉱物資源の切り売りによって政権幹部の私腹を肥やしてきた。制度そのものがどんどん劣化しているのに、部品だけ変えたところで問題が解決するはずがない。
平壤政権は当面、「核開発」と「実戦配備」との間のぎりぎりの「グレーゾーン」にとどまりなから、あらゆる方向で独裁体制維持のための時間稼ぎを続けるものと考えられる。その間も、住民の疲弊は進行し続ける。平壤政権が最も恐れてきたのは、つねに住民の意識の変化だったが、今後それが何らかの形で爆発しないという保証はもはやない。
仮に南北間で局地戦が起きたとして、平壤が第一に恐れる事態が、前線部隊の反乱とその全国的な波及であるはずだ。平壤側は、軍事境界線で大砲を撃つことはできても、兵を動かすことはできない。現在の人民軍は、南側での占領地域を維持する物質的・精神的支配力を持たないからだ。表面上の「忠誠」とは裏腹に、軍事境界線を渡った人民軍部隊が臨津江の南側でどのような行動をとるか、平壤政権自身で予測できないのが実態である。
韓国国民の自由な精神は、北による独裁支配を断じて受け入れない。民主主義のために全力を挙げて北の侵略と闘うであろう。また、中国が平壤政権の挑発行動に手を貸すことはない。したがって、北が軍事力で南に挑めば、平壤政権はまちがいなく消滅することになる。
2013年2月の第3回核実験によって、平壤政権は最後の岐路に立った。彼らに道が全くないではない。まずウソをつく習慣を改めることだ。そして、住民の人権と福祉、そして民族全体の利益を考えることだ。

2014-06-04 3面
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